[books]アートオブプロジェクトマネジメント


著者はマイクロソフトでInternet Explorerなどの大規模なプロジェクトをリードしていた人です。書籍の内容については細かい手法が書いてある訳ではなく、心構えや人間系のコミュニケーションの話などが中心になっています。400ページ超の規模ですから読み切るのには一苦労であありますが、「優れたビジョンを記述する」「アイデアの源」といった章については、エクスペリエンスデザインに通じる事も多く、お勧めしたい所です。(この2つの章だけで50ページあります!)当たり前のように書かれているものの実行になかなかいたらないものと感じたのは「3分の1ルール」というものです。すなわち、設計/開発(おそらくTDDレベルのテストを含む)/テストを3分割の重み付けで考えようというものです。現実的に品質を高めようと考えた場合には最初と最後にどれだけ時間を割り当てられるかが大事になりますね。

HPの考える「IT業界:7つの過去と現在」

@ITにHPの考える「IT業界:7つの過去と現在」という記事がありました。後半でHPそのものの宣伝的なものも含まれるのですが、私としては「コンシューマ向けITとエンタープライズ向けITの差がなくなってきたこと」に着目している点や、「ITを使う目的は過去は個人の生産性の向上だったが、いまはコラボレーションとコミュニケーションにフォーカスしている」という部分、「ハードウェアとソフトウェアの区別がなくなってきていること」「従来はデバイスをネットワークにつなぐことが目的だったが、いまはユーザーをどうやって価値あるサービスにつながせるか」などの前半4つに注目しました。

よく「とはいえエンタープライズ系には色々と事情があるので」という話を聞き、自分もインハウスで働いていた時のことを思い出すと納得する部分もあるものの、今後恒久的にそうであるとはまったくいえないし、むしろユーザーが賢くなってごまかしが効かなくなってきていることは明らかです。「どうして会社のシステムではいつも体験しているようなスムーズな流れがないんだろう?」と思っている人は多いと思われます。